一期一会 みはるの部屋

正義はわれにあり

自伝的小説

帰路 いかなごと御座候

三ノ宮を西へ過ぎると休日の車内は閑散となる 進行方向の座席に座り 窓の外を眺める 首都圏の鉄道は距離が短くて、時間がかかり、人が多く、座れても 進行方向には座れない 終点 約70キロほどの網干まで、1時間もかからずに行くことが出来る。 新快速と名付…

ただ一人のあなたに 恋したあの日々 

「Squall」を聞いたのはいつだったか ああ、あたしだ、と思った 再会した彼は 相変わらず やわらかく笑う人で 誰にも公平に、平等に、距離を置いて 接する人だった 他人は気が付かない 彼に距離を置かれている事など 何気ない会話も 慎重に話している事 どち…

人生と仕事と人生とあたし

眠れぬ夜 何度も夢を見る 「生きたい、もう一度働きたい」と願って死んでいった彼 おなかが大きく 大きくなって 腹水で苦しくて 幼子を残し死んでいった彼女 自らの命を電車に預けたあの娘 効かなくなった薬 残された人生を怯え 抱える苦痛 さよならも言えず…

大都会 東京にて

吐く息が白い 家を出て20分で東京駅に着く 仕事は8時 少しだけ早めに出た時は「Daisy」で6種類から選ぶパンと ブラックコーヒーを飲むことにしている ここが首都かと思わせるほど人が少ない時がある いつものように愛おしいパンと、コーヒーを選び レジの人…

生きている者への 鎮魂歌 レクイエム

好きだけを語りたい 楽しい事だけしか、認めたくない 知らなかったで済まされない社会の中で 更に、生きづらさを感じる 誰もが発信できる状況は 誰かを傷つける事 それを知っている人は 更に話ができなくなる 儚くて、脆い 誰かを傷つけるなら… その、優しさ…

どこかの働く私へ

最新の「ラクス」の「楽々計算」を見た 作っている人々に敬意を払いたいほど、このCMが好きだ ごめん、経理の人、と思わせる「中の人」が前面に出てて好きだ 残念ながら、私にはこのソフトは必要ないけど 「人」が生きている姿が見えるから、このCMが好きな…

届きはしない手紙 あなたへ

雪の日は思い出す 彼女は過去を抱えて、過去とともに今を生きている人だった 垂直感染、C型肝炎 気分障害 うつ病 木に縛られて、水をかけられる幼き日々 あなたは悪い子と除霊をされた 裸で、外に放り出される日々 大人の手で触られる身体 嫌だと言えない 家…