一期一会 みはるの部屋

正義はわれにあり

ここに在る日常

起床時間 5時05分

なんとなくテレビをつける

 

発音が気持ち悪いニュースキャスター

ちゃうねん、姫路の言い方 なんなん、しめじみたいな発音

なんやねん「まさかの行動」や「驚きの行動」って

知っておきたいニュースってなんやねん

あほちゃうか、と思いながら 天気ニュースを見るため

だけにそのニュースをかけている

 

しみかしくのコンシーラ

小さくなった目を大きくするためのアイライナー

鏡よ鏡 世界で一番美しいのは誰?

そんなことも思えない醜い顔がそこにある

 

おなかが出てきた

どんだけ調べても 原因が太ったとしか書いてない

ネット情報

あたしが欲しい答えはそうじゃない

なんか、そんなじゃない答えが欲しい

タックボタンを閉めずにアウターで隠す

 

通販で購入した靴の色が違っていた

返品交換がめんどくさくてそのまま履いていて外に出た

寒暖差で垂れてくる鼻水

固まった鼻を触っていたら血が出て、かさぶたになった

鼻の中のかさぶたは、臭くて 触ったら またかさぶたが出来て

ここ何週間も血が止まらない

 

女性専用車両に乗る男の違和感を感じ、カメラを向けた

いつか、まとめてネットに晒す予定

顎を空けて上を向いて寝る人を 釣り革越しに眺める 何かを口に入れてみたくなる

おばさんと呼ばれてもいい年齢の女性がマタニティマークをつけて歩いてた

嘘だろ、あれ 気持ち悪

 

降りたホームでいつものカフェがある

彼女がガラス越しに今日も忙しそうに働いている

何人も出入りするそのドアに「いらっしゃい」と「あり

がとうございました」「いってらっしゃい」の声をかけている

全員を見逃すまいとした決意、仕事人の姿勢を横目に通り過ぎる

 

空が青くて 

途中で引き返した

富士山がみえる公園に行くことにして

きょうは体調がすぐれない、と職場に連絡を入れる

気分で行きたくない日が理由となる社会になれ と

思いながら

 

責任を放棄した休みは清々しくて

 

熱が引いた午後の布団の中

母親のひんやりした手が額に触れる

「下がったから 遊んでもええ?」

何度かこの言葉を繰り返す

根負けした母は少しだけ起きてもええで

でも、今日は休んどるからなぁ、とやさしく注意する

えへへ、といたずらをしたような笑顔で返す

しゃーないよね、って認めてもらった 包んでもらった

そんな、言葉が欲しい

 

メタセコイヤの間から落ちる日差しと

公園にある献花台に落ち葉を並べる子供を見た

人を見ると飛びついてくる犬の濡れた鼻が歯にあたり

しばらくはじんじんした

掲示板に貼られた公民館講座 食べれる野草講座は

満員御礼と書かれてあった

小さなお弁当やさんで買った 幕の内

ぎんだらの粕漬け 柴漬け 黒ごまのかかったごはん

お弁当を食べながら 夕食は何をしようか、考える

 

 

それは

あから様にではなく

少しづつ 

相手の自尊心を奪うような

表立っては公平で

その実、馬鹿にするような

正しい事を言いながら

人間性までを否定にするような

そんな、態度をとられる事に 時折、心を蝕んでいた

その人にとり、自分が

軽んじられている と感じた時

他人の評価をくらって

自分の価値を下げている事に気が付いた

 

 

美味しいお弁当

空気はきれい

景色は美しい

子供はほほえましく

飛びついた犬に愛をもらった

LINEには心配、と

任せての、言葉が書いてあった

 

 

 

起床時間 午前5時⒖分

新幹線にペットボトルを投げた男のニュースが流れた

 

www3.nhk.or.jp

姫路市は ひめじし、と平坦な言葉でニュースキャスターは発音していた

新しく買ったコンシーラーはしみを上手に隠し

www.youtube.com

メイク動画を参考とする

 

今日、女性専用車両に乗った男は周囲を見渡し、次の駅でそそくさと降りた

口を開けて寝る乗客に お疲れ様といたわりの言葉を心の中でつぶやいた

マタニティマークの女性に幸あれと願った

 

今日も、カフェで彼女はトーストの準備とドアに一人残らずに声をかけている

常連らしいおっちゃんと会話して 飛び切りの笑顔を見せていた

 

大丈夫の事情を心配してくれる同僚がいた

大丈夫を心配してくれるお客さんに逢った

 

 

あたしに傷はつかない