一期一会 みはるの部屋

正義はわれにあり

大都会 東京にて

吐く息が白い

家を出て20分で東京駅に着く

仕事は8時

少しだけ早めに出た時は「Daisy」で6種類から選ぶパンと

ブラックコーヒーを飲むことにしている

 

ここが首都かと思わせるほど人が少ない時がある

 

いつものように愛おしいパンと、コーヒーを選び

レジの人に馬鹿みたいに丁寧にあいさつをする 「ありがとうございます」と

 

マスクに付いたファンデーションを疎ましく思いながら口に運ぶ

この、少しの時間が贅沢で

其処を提供している 見えない働く人に感謝する

 

この時間のために 愛おしい時間

パンをほおばりながら、本日の昼食を考える

 

公園で、はし本肉店のお弁当を持って過ごすか

ロダンのカレーか

コバサイゴンのヌードルか

あたしの頭ん中は此処の食事処を制覇する事でいっぱいだ

 

人がまばらだと時間はゆっくり流れるような気がする

 

癌に冒された彼女は6歳の子の入学式までは生きれなかった

職場復帰をしたいと宣言した彼は、自宅療養中亡くなった

 

死にたいと願って、願った娘が飛び込んだ電車に乗っていたことがある

群衆で下敷きになり死んでいった事故現場に居たことがある

 

故郷は焼野原を経験し、姿を変えた

 

オウムが震災報道を全てかき消した

今はSNSが 復興の名のもとに石川は取り残されようとしている

 

悲しみにつかる事も

怒りに震える事も

感動に浸る事も

 

全て、あたしの時間じゃない時間感覚で過ぎている

 

目の前で、スマートフォン片手に笑顔の素敵な人を見た

我慢が出来なくて笑った顔が好ましかった

 

よし、今日はジェットベーカーにしよう

緑色が鮮やかで大盛りのサラダとパンと赤いトマトのパスタ 

 

席を立ち

東京駅八重洲口を出る

真っ直ぐに伸びた道路 いつまでたっても完成しない街の形

ビルの間を歩いていく

可愛いポストを横目に

 

太陽があたりを照らしだす

2月の日差しは鮮やかで

 

私は太陽に、光に向かい歩いていく

この時間に感謝しながら

ポストだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の昇る場所へ 光の中を歩く